年齢と学年はちょっとバラバラ。じゃあどうやって決めてるの?2018/Oct/16

「世界でも有数の教育環境」とは聞いてはいたものの。
オランダに縁もゆかりも無い日本人に具体的な学校情報が簡単に見つかるわけでもなく。

「行ってみないとわからないよね」

と考えてはいたのですが。

・・・行ってもやっぱりわかっておりません。

さらにわからなくなったとも言えるかも。
なにせ学校によって規模もスタイルもバラバラ。
うちのチビは1年間、海外から来た子どもたちがオランダ語を習得するのに通う小学校に通学し、その後現地校(オランダのローカルスクール)に通い始めてしばらくたったところ。
他の学校に行った子どもちゃんの家族と学校の話をするたびに「全然違う・・・」と驚くのと「・・・なんか良さそう」とうらやましくなったりもするわけです。
いわゆる「隣の芝は・・・」というやつです。はい。

実際、学校の良し悪し&合う合わないなんて通って比べないとわからないと思うのですが、全体的に学校と教師が不足していて、住居区として人気のエリアは学校もウェイティングリストに登録しなければ入れないところが多い、

そんな中で「通って比べる」というのは不可能なわけで。

・公開されている情報
・人づての情報
・実際に見学しての判断
・学校側に受け入れ体制があれば数日の体験編入

それらを経て入学可能な学校に行くしかない。
「公開されている情報」は変わってしまっていることもあるし、人づての情報はその人の主観によるので自分に合うかというとそうでもない。

・・・運だなこれは・・・運。

と思うのであります。

そもそも「良い学校とは何?」との明確な基準も持たないのに学校の良し悪しを語ろうなんぞおこがましいわけで。
いろいろざっくりな親としては

家から近いとこが一番じゃね?

と開き直るわけです。(こんな親なのだチビ・・・強く生きるのだよ)

学年と年齢についても微妙にバラバラなオランダ

オランダの新学期は夏休み明け、なので9月から学年が1つ上がったり新しいクラスと先生に変わったりするのは普通のようです。
でも入学の日は人によってバラバラ。主には4歳の誕生日から、ということですが完全な義務教育は6歳からなのでそれまで学校に行かないという選択肢もありらしいです。

チビは小学校低学年なのですが、まだ言葉に不慣れなこともあり1つ下の年齢の子が多いクラスに入っています。

同じ年齢でそのクラスにいるのは少数とはいえチビ一人ではないし、チビ本人は楽しそうに学校に行っているのでべつにいい・・・のですが、同年齢の子どもたちはだいたいが1つ上のクラス、と思うと少し焦りを感じたりします。

そんな中、違う学校に通うお友達の誕生日パーティーで出会ったオランダ人パパの言葉が印象深かったのでメモしておこうと思います。

「珍しいことではないのは知っているけれど、同年齢の子ども達よりも1つ下の年齢のクラスに行ってるのは学業に遅れてしまうようでちょっと心配に思ってしまう」
そうもらした自分に彼は「全く心配することない」ときっぱり。

子どもたちがどの学年のクラスに行くかは  “気持ち” に拠る。
その子が居心地よいところ、がいるべきところなんだ。
“賢さ” や “能力” は学年には関係ないから心配する必要はない。

確かに、学校で子どもたちが使っている教科書はみんな同じではありません。
それぞれのペースで次のテキストに進むので進捗はバラバラです。
他の学校はよくわかりませんが、学習項目ですら統一されていない(子どもたちが自分で選ぶ)ところもあると聞きます。

「大事なのは子どもにとっての居心地」。
そしてなによりも
「基準や枠によって子どもに焦りや劣等感を感じさせることは何よりよくない」
そんな意思を感じる力強い言葉でした。

他人と比べず「本人基点の成長や幸せ」を大事にしたいと思っている・・・ようなつもりで知らず知らずのうちに「なんらかの枠にはまっているかどうか」に一憂している自分を発見してはっとした次第です。

まあ「本人基点の成長や幸せ」ってのもなかなか考えるのは難しいものではあるのですが。
学力を測るのにテストもあるし基準がないわけではない。
「居心地の良さ」イコール「幸せ」とも言い切れないだろうし。

それでも少なくとも

誰かのものさしで優劣をつける見方をすることを絶対に良しとしてはならない。

そんな姿勢を感じることは学校に限らず頻繁にあり、とても好きなオランダの一面です。

差別されることが全くない、というわけではないですし、
いじめ問題がないわけではないし、
みんなが寛容で仲良しかといえばそういうことではない・・・のですが。
(こちらにいると空気のようにスルーされることに割と慣れます。迫害されはしないけど仲良くなるのはなかなか難しいです。)

それでもバラバラでまったく一言で括れそうにないオランダの学校、教育の現場の中でも
「子どもの人権の尊重」
「子どもの幸せの尊重」
というのは必ずまず守るべき強い義務としてどの学校でも遵守されているのを感じます。

最初の小学校からローカル校に変わるための学校探しの間、どちらかといえばシャイな異邦人であるチビが楽しんで通える、合う学校は見つかるのか?とすっかり不安になっていた自分だったのですが、校長先生の

「大丈夫よ。ここには良い学校がたくさんあるのよ。
合う学校が必ず見つかるわ」

との自信に満ちた励ましの言葉には、教育者達が「子どもたちが安心して学校生活を送ることができる」環境を作ることに自信と誇りを持っている、そんな強さがありました。

多種多少な教育スタイルの学校があるオランダで、子どもたちは何をどう選んでいけばいいの?と全く頼りない自分ではありますが「なんだかよくわからないけど大丈夫」そんな気がしているのです。
そしてこの「なんだかよくわからないけど大丈夫」という安心感はオランダの教育環境が良いと言われたり「子どもたちの幸福度が高い」といわれている所以の1つで、周りの大人や教育者の積極的な努力によって培われているものなのだろうと勝手に思っております。

・・・まあ勝手に思っているだけなのですが・・・
思うこと、気になることがあればまた書いていこうと思います。



2018/Oct/16
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