もはやステッカーですらない・・・オランダのスーパー、AHのキャンペーンが小憎い2019/Dec/10
以前こちらのブログでご紹介していた、オランダの最大手スーパーAH (アルバート・ハイン: Alber Heijn)のステッカーコレクションキャンペーン。
お買い物の金額に合わせてステッカーがもらえるキャンペーンなのですが・・・
これが想像を超える情報量とデザインのクオリティーの高さで。
過去のテーマは
「オランダの全サッカーチームの全選手を紹介したフットボールシリーズ」
「世界の不思議・謎な自然シリーズ」
「最新テクノロジー、ITシリーズ」
などなど、大人が子供に率先して勧めたくなる知的な情報(もしくは文化的情報)に満ちていて、かつ子供心をくすぐるのです。
最近印象深かったのは「世界の虫」コレクション。
美しいものから害虫まで・・・
虫に関する説明、写真、そしてステッカーとセットで
リアルすぎる実物大虫タトゥーシール (水で体に貼り付けるシール)
がもれなくついてくるものでした。
虫の苦手な人が卒倒しそうなこのアイテムは子供にバカ受け。
キャンペーンの期間中、体に虫をくっつけた子供を路上に、学校に・・・
あらゆるところで目にすることとなりました。
ミミズやらG(← 正式名称を書きたくない)らしき虫やら毒々しい蜘蛛とか・・・
蝶などの華やかな虫よりも怖い虫率が高い気がしたのは・・・自分が苦手だからそう思うのでしょうか・・・ (いや、気持ち悪い虫の方が断然多かった気が・・・)
この時も「この発想はなかった!」と膝を打ったのですが・・・
毎回予想できないテーマを打ち出してくるのに、いい意味で呆れつつも
・・・もうそろそろネタ切れじゃない・・・?
と思っておりました。
さて次は難しいよね・・・普通のステッカーだとインパクトないよねと思っていたら・・・
12月のコレクションはまさかの立体でした。
€15毎にもらえる小さな家や店舗や車や人形は全45種類。
雪景色のクリスマスの村が完成するコレクションです。
・・・もはやステッカーじゃなくなっている・・・
コレクションキャンペーンとしては「おもちゃを集める」というのはベタな(?)ものなような気もするのですが・・・
小さな家やお店、車やツリーなどが増えていくのはそりゃあもうワクワクするもので。(←企画側の思う壺)
2ユーロ弱のコレクション用LEDミニランプ(30個セット)は近所では品切れでなかなか入手できませんでした。
いつもは自分でバーコードを通して買い物が完了するセルフレジで買い物をするのですが、このコレクションをもらうために最近はずっとわざわざ有人レジに並んでいる始末。
「プラスチックのおもちゃはもう沢山。興味ないわ。」
クールな反応の友人ママの傍ら、踊らされている感満載の私ったら・・・
おなじみとなりつつあった「数百に及ぶマニアックな情報」や「アプリ上で展開するデジタルコンテンツ」、「知的好奇心をくすぐる仕掛け」がないのは物足りない気がするものの。
AHの取り扱うメーカーをフィーチャーしつつ、様々な業種の建物、乗り物やオランダの建造物を盛り込んだバリエーションの豊かさと可愛らしさに。
今回も「やられた」という気持ちでせっせとコレクションに励んでいるのでありました。
このブログの
【過去の投稿】サンタランにアーバントレイル、オランダのランニングイベントがなんだか楽しそう。
でも触れているのですが、
一見お硬い雰囲気のオランダ人ですが、「遊び」や「イベント」への気合の入れようには驚かされることがしばしばです。
「やらされている感」や「なんとか企画している」は微塵もなく。
やるからには驚かせること
やるからには楽しむこと
近所のローカルイベント一つにしても、きちんとデザインされたポスター、衣装や装飾などのクオリティーの高さに「全力で遊ぶ」ことへの共通認識のようなものを感じたりしています。
たかが販促、されど販促。
「物を売りたい・知名度を上げたい」
そもそもの目的はもちろんあるでしょうが・・・
「大人も子供もわくわくする、なにか新しいもの」
をなんとかして企画してやるという気合めいたものと、
他分野に渡る「デザイン力の高さ」を垣間見る気がして、いちいち面白く思うのでありました。
・・・そのうちマンネリ化するか飽きていそうと思いつつも。
オランダに来て2年半、キャンペーンも知っている限りこれで5つ目ですが・・・
まだまだ次回に期待している自分でありました。