オランダの雪景色

さよならセントラルヒーティング・・・ 寒い家の防寒対策あれこれ2019/Dec/03

オランダに住み始めて2年半。 ご縁あって10月末に引っ越しをいたしました。
移動完了から約1ヶ月・・・やっと少し落ち着いてきたのですが・・・
環境の変化の度合いが想定外で。

まさか引っ越しで眠れない日が続くとは思っていませんでした。
こんなにデリケート(神経質?)だったっけ?と突っ込みつつ。

「オランダの家にはセントラルヒーティングがあって当たり前」
恥ずかしながら自分はこれまでそう思っておりました。
(でも周りの人に話したら「うそでしょ? ないの?」という反応をされるのでそう思っている人も多いのかもしれない)

今回の引っ越しはごく近所の友人カップルが引っ越す際 「こっちに替わる?」 と家賃が高過ぎるといつもぼやいていた自分たちに声をかけてくれたもので。

ずっと家を探し続けていた身としては
「不動産市場には絶対に出回っていない格安の家賃」
「街中で便利な立地」
「チビ待望の子供部屋が可能」
とあって、ただただありがたいお話。

「熱源が電気のみだし、電気ストーブが各部屋にあるだけで寒いですけどね・・・」
と聞いてはいたものの・・・住めているわけだからなんとかなるだろうと、さほど心配してはおりませんでした。

実際、引っ越ししてみて・・・自分たちの装備の甘さに愕然としたわけです。

前の家がセントラルヒーティングが行き届いた、とにかく暖かい家だったので・・・家の中では冬でもTシャツと軽い上着、常に素足。
毛布なし、カーペットなし、暖房器具皆無、でなんの問題もなかったのですが・・・
寒いとわかっている家に丸腰で挑む無謀さったら。

そういえばはるか昔、ゼミの卒業旅行先がなぜかロシアで。
3月のロシアにスニーカーとパーカー的格好で臨んで全員に「なんでや」と突っ込まれていた同期の話を思い出しつつ。(余談)

寒くて暗くて長い・・・そんなオランダの冬を嫌いになるのは辛すぎる・・・ということで。
「収納をどうする問題」と共にあれやこれや試しつつ。
かなり快適になってきた?ような気がするので「寒い家の対処方法」をまとめてみようと思います。

家が寒い! 対策:試行錯誤まとめ

暖房器具編:

窓編:

床、足元編:

その他:

【暖房器具編】:セントラルヒーティングの偉大さにならう・・・暖房の位置は大事かも

暖房代のかかるイメージが高いセントラルヒーティング。
日本では寒冷地を除くとあまり普及していないように見えますが、セントラルヒーティングの快適さは神々しいです。

ヨーロッパのホテルなどでよく見る、窓の下の白い凹凸のある板状のヒーター。
一箇所のボイラーで温めた温水が家全体を巡るので効率的、熱くなりすぎないので安全で快適です。
部屋の温度が設定温度以下になると自動でスイッチが入るので、部屋が寒すぎる状態になることがありません。
部屋の温度を下げてしまうと上げるのに膨大なエネルギーが要るので、こまめに切るより暖かいまま維持するほうが省エネとなることから「基本的にいつも暖かい」のです。

寒い外から帰った時に家がぬくぬくとしているとどれほどホッとすることか。
そして普段暖かい空間にいると、寒い外に出ていくことも億劫ではなくなるのは意外でした。
家に帰った時の安心感があるからでしょうか。

セントラルヒーティングを恋しがってばかりもいられないのですが・・・
参考にできることはしていこうということで。

下から上に移動する熱。
暖房効率を考えると、暖房は「部屋を冷やす場所の下」がベストです。
部屋を冷やすのは窓と壁。特に窓は一番の原因となっていることが多く。
セントラルヒーティングのパネルはだいたい窓の下についています。

そんなわけで、窓際でないほうの壁に打ち付けられていた古そうなストーブを大家さんにことわって外してしまいました。
比較的低い位置から放熱されるタイプのラジエントヒーターを部屋の真ん中の窓の下に設置します。

・・・少しはましになった・・・?

それでも窓から「冷え」がやってくるのは明らかに体感できてしまうほど。
隙間風を布で塞いでいたとは前に住んでいた友人の談。
そんなわけで隙間をなんとかしようと思います。

【窓編】:窓の隙間を埋めてみる。

パッキン材のついたテープ、「隙間テープ」ならやるものはオランダでもホームセンター等で普通に入手できるようで。
相方がGAMMA(ホームセンター)で入手、窓の端を埋め・・・るのは構造上難しかったのですが、隙間の上から隙間テープを貼ってしまう(窓を開けるたびにちょっと貼り直す必要があるけど)ことで吹き込んでいた隙間風が明らかに止まった感があります。
心なしか外の喧騒も聞こえなくなった気が。

全体の試みの中で、この「隙間を埋める」地味な対策が一番目に見えて効果があった感があります。

【窓編】:カーテンを変える

オランダの家、アパートのすごく好きなところではあるのですが・・・全体的に天井が高くて窓が大きいことが多いです。
明るくて気持ちがよいのですが、ガラス窓が2重構造になっていない場合(古い家に多いシングルグラス)は特に、窓からの冷気がすごいです。

うちはリビングのみシングルグラス、2つの寝室がダブルグラスなのはまだ救いでした。
とはいえ、寝室はカーテンではなく縦型のプラスチックブラインド。
隙間だらけのプラスチック・・・見るからに寒そうだったので遮光タイプの厚いカーテンにレールごと付け替えました。
IKEAの遮光カーテンはやたら長いこともあり(切ればいいんですけどね)、窓全体とその下の壁部分全体を覆うことで保温性がだいぶ上がったのと、遮光性が高くやたらと暗いことから眠りやすくなりました。
(実際眠れるようになるまではベッドを買って組み立てて結局返品、畳(!)を注文したものの重すぎて絶望・・・など紆余曲折があるのですが・・・ここでは割愛)

リビングは明るいままで保ちたいので、分厚いカーテンにするのは嫌だったのですが・・・
カーテン自体も安いものではないので選択肢はほぼIKEA一択(圧倒的にコスパが高い)、それほど選択肢もありません。
シングルグラスからあきらかに冷気が窓全体から染み込んでくるのを感じる中、どうしようかと悩んだ末、カーテンを3枚重ねする、という方法に落ち着きました。

もともとつけてくれていたシアータイプのカーテンの上にもう1枚、コットン混合の半シアータイプカーテンをかけた上で、リネンのカーテンを重ねます。
レールの付け替えは面倒なので、2枚カーテンがかけられるレールの上に3本目(軽いタイプのポール)を乗せるという荒い方法で実践しています。
レールが壁にしっかりと固定されていない場合はおすすめできません・・・

風合いが好きで使いたかったリネンはそれだけだと少し透けるのですが、半シアータイプのカーテンを重ねることで、明るさを保ったまま外から見えない絶妙な仕様となりました。
空気の層を作ることで保温性がきっと上がったはず・・・と思うのですが、窓の隙間対策と並行して行ったのでカーテンそのものによる効果はわからずではあります。

【窓編】:防寒用透明フィルム(窓用断熱フィルム)

シングルグラスの窓はダブルグラスに比べて明らかに冷えが伝わってきます。
「ドライヤーで伸ばすタイプの窓用フィルムシールがいいよ」
とは同じく家が寒い!ことに悩む友人の談。

てっきり透明シールを窓に直接貼り付けるのかと思っていたのですが・・・
窓枠に沿ってぐるっと両面テープを貼り、そのシールで作った枠にフィルムを貼って空気の層を作るタイプの断熱フィルムが一般的らしく。
窓に直接べったりと貼り付けるタイプのものもあるらしいのですが、素材が特殊でとても高額(1平方メートルで2万円弱くらい)なため現実的ではないようです。
上記の窓枠シールタイプの断熱フィルムは5 m x 1,5 mサイズで10ユーロから15ユーロくらいで入手できます。

窓の断熱フィルムについては、「環境を重視した消費者向け情報」を提供しているmilieu centraalが詳しい記事を出しているのでご参考まで。

https://www.milieucentraal.nl/energie-besparen/energiezuinig-huis/isoleren-en-besparen/isolerende-raamfolie/

うちではまだ実践できていないのですが(カーテンを替えて力尽きた)・・・
まだ対策が必要そうであれば試してみようと思います。

【床・足元編】:好きではないけど・・・と言ってられないのでカーペットを購入

フローリングの材質にもよるのでしょうが・・・セントラルヒーティングがない今、やはりフローリングは冷たい・・・というのを痛感しつつ。
掃除が面倒そうだし荷物増やしたくないし・・・と思いつつも、結局カーペットを2枚購入しました。
季節によって敷き替え、は面倒なのでオールシーズン使えそうで価格も手頃なジュートタイプ。
敷いてみると・・・意外になぜか部屋が広く見えるという効果があって驚きつつ。
毛羽のある絨毯に比べると暖かくはないのですが、足ざわりも悪くなく、明らかに足の冷えは軽減された気がします。

【床・足元編】:ウールの靴下がすごいらしい

「引っ越ししてどう? 落ち着いた?」
「いやさ、それが寒くってさ」

引越し後しばらくそんな会話を友人と繰り返していたのですが・・・
窓の断熱フィルムもしかり、ありがたいことにこの流れからいろいろな「防寒Tips」を教えてもらいました。

「足の冷え、靴下をウールのものにすると全然違うぞ」
とは毎週一緒にスケートに行くフィンランド出身の友人の談。

もこもこしたスリッパよりもウール100%の靴下を履いてみろ。
クリスマスマーケットや市場で売ってる手編みのものが一番いい。
高いし破れやすいけど直しながら何年も履くんだ。

とのこと。
ウール?チクチクしそうだし蒸れないのか・・・自分はセーターのように上着としてしか着たことがない、と言うと
本物のウールはそんなもんじゃない、と一笑に付されました。
肌触り、通気性、保温性、共に最高で冬のインナーとしても抜群に機能するらしいです。

・・・自分の知っていたウールとは一体・・・と遠い目をしつつ。

そんなわけで。
100%ウールではないけれど、80%ウールの靴下が近所で2セットで10ユーロで売っていたのを購入してみました。

眉唾で試してみたのですが、これが確かに暖かくて快適で。
他の靴下の出番がなくなってしまいました。
4倍の値段のFALKE(オランダでも高い)と変わらない・・・むしろこっちのほうがいい気も・・・します。

【その他】:時々窓を開けて空気を入れ替える

「寒い家は時々窓を数箇所開けて空気を入れ替えたほうが暖かくなるわよ」

とはポーランド出身の友人の談。

寒い時に窓を開けるの?と聞き返してしまったのですが・・・
湿気を追い出し、空気の流れを作ったほうが暖房が早く巡って早く暖まる、とのこと。

そういえば自分の幼少期、母が同様のことをしていたなあと思いだしつつ。
(なんで窓開けるねんと思っていたけれど)
雨の降っていない時に試しているのですが、その後の暖房が確かによく効いている気がします。

諸々、地味なTipsかもしれませんが、全く守備範囲外の情報をもらえるのはめちゃくちゃありがたいと思いつつ。

以上・・・例のごとく長くなりましたが・・・

ブログも手につかないまま紆余曲折の一ヶ月を経てやっと家が暖かく快適に・・・なったはず・・・いや、絶対になってるはず。 多分。

そう自分に言い聞かせつつ。
引っ越した直後はマイナス1℃にもなっていた外気温が最近はそうでもなく、暖かい日が続いていることは・・・気が付かないふりをしておこうと思うのでありました。

ホットラム Jagertee
ホットワインやホットラムは寒さを開き直るのに一役買います
Jagertee はヨーグルト?のような独特の香りのラム。美味。
2019/Dec/03
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