オランダの小学校には宿題がない・・・とはいえ子供は結構忙しい(そして大人も)2019/Jun/01
先日、チビが宿題らしきものを学校から持って帰ってきました。
バカンス前にプリントをもらって帰ってきたことはあるものの、普段の日ではとても珍しいです。
見てみると、ところどころ真っ白。
好きなところしかやっていない様子にこれでいいの?と聞いたら
「ここと、ここはまだ習ってないし」
「ここは簡単すぎるからやらなくていいねん」
「もう、いーんだってば。やってもやらなくてもどっちでもいいって言ってたもん」
・・・ゆるいです・・・。
とりあえずチビの言うことを鵜呑みにするしかないのですが…
とにかく宿題自体が珍しいのでちょっと驚いた次第です。
基本的に「オランダの小学校では宿題がない」というのは本当か
ヨーロッパの多くの国では「宿題がほとんど or まったくない」という話はこちらに来る前に聞いた(読んだ)ことはありました。
住んで2年が経ちますが、自分の知っている範囲内では「基本的には宿題はない」というのは本当のようです。
宿題がない中で、子供たちは一体何をしているのか。
宿題がなくても学力は十分につくのか・・・?
自分的にこれはとても気になっていたのですが、
飛ぶように日々が過ぎる中、
「・・・家庭学習に気をもんでる時間はなさそう(子も親も)」
と思ったりします。
忙しい理由1:遅くても8時。基本「早寝」な子どもたち
「子供は遅くても夜8時には寝るべきよ。
他の国から来た人は驚くけど、オランダではこれが普通だから頑張ってね」
遅くても・・・だと・・・???
オランダに来て数ヶ月たった時、子供の最初の健康診断があったのですが
その時に衝撃を受けた看護師さんの言葉。
様々なシーンで「オランダの子供は早く寝るのが基本」というのは耳にします。
オランダにいて、何かを強制されたり強く勧められることはめったにないのですが、この「子供の早寝」については様々なところで「するべき」というプレッシャーを感じます。
とはいえなかなか守れずにいるのですが・・・多くの家庭ではこの「早寝」を遵守しているとのこと。
なので夕ご飯は5時から6時?とかなり早めです。
小学校の終わる時間が学校によって違う、というのも最近知った話なのですが(うちは水曜以外は3時に終わるのですが2時半に終わる学校が多いよう)
3時に家に帰っていたとしても、就寝時間までは4、5時間。
スーパーで買い物をしたり、ちょっと遊んだりしていると夕食、お風呂などであっという間です。
放課後何も予定がない日自体が少なそうな中で、予定のない日も暇を持て余すということはなさそうです。
忙しい理由2:週に複数の習い事、は普通。
オランダの子育て面ですごくよいなあと思うことの一つに
「いろいろな習い事がしやすそう」という点があります。
これについてはいつかまとめて書こうと思うのですが・・・
スポーツや芸術の習い事の施設、サービスがとても豊富、だいたいどこもまず体験レッスンに参加できます。
低所得家庭には習い事のための補助もあります。
オランダでは子供が水泳のディプロマ(資格)を取得するのは必須なので
特に低学年では水泳のレッスンに通う子が多くいます。
そんなわけで子供達、しょっちゅう何か習い事や地域のアクティビティーに参加しているように見えます。
ざっと見た感じで週2回、もしくはそれ以上でしょうか・・・
忙しい理由3:予定が合えばアフスプレーク
「今日アフスプレークしない?」
学校の終わり時間に迎えにいくとこのアフスプレーク(afspreken = アポイントメント)という言葉を頻繁に耳にします。
このアフスプレーク、複数で遊ぶことは少ないようで、だいたいは1対1でどちらかの家に遊びにいくことを指すようです。
子供同士で約束をとりつけて、親に了承をもらえればどちらかの家で子供同士で過ごして夕食前にはバイバイ。
遊ぼうよ、というのではなく「アポイントメント」的な言葉を使うのはなぜなのかはわからないのですが、オランダの子供たちの間ではポピュラーな慣習のようです。
子供たちもそれぞれ予定があったり、親のほうも用事があったり、成立しないこともありますが・・・アフスプレークが決まった子供たちが喜々として一緒に帰って行く様子は学校帰りによく目にします。
両親が働いている家庭では子供は夕方までBSO(学童)にいたり、
祖父祖母のところで過ごしていたり、
近所の子供同士で遊んでいたり・・・
なにせ「放課後までも勉強している」子供の姿を見る機会はないですし、話にも聞いたことがありません。
もっと勉強させたい場合、もしくは勉強したい子はどうするの?という話
学力強化のための小学生向けの塾、というものを自分は見たことが一度もありません。
その代わり・・・なのかはわかりませんが家で勉強したい時には「学習アプリ」が便利なよう。
うちの場合は学校で利用しているものと同じアプリが家庭でも利用できるようになっています。
全ての学校がそうではないのでしょうが・・・
(PCなど電子機器を極力使わない学校などもあるみたい。学校によって方法がバラバラなので本当になんとも言えません)
この小学生用の学習アプリ、カラフルなイラスト、音楽、ゲームを織り交ぜつつ様々なバリエーション、エンターテイメント性にあふれていてとにかく楽しそう。側から見てるとゲームにしか見えません。
大人の付き添いや説明が全くなくても子供だけで進めていけるよう本当によくできています。
ちなみに家に「インターネット環境がない」ということはほぼなさそう & 図書館では誰でも使えるPCが常備してあるのが普通、ということで。
アプリが使えない子がいるのでは?という心配はしないようです。
子供の放課後は「習い事」「遊ぶこと」「早く寝る」で毎日結構忙しい・・・けれど。
勉強が必要な子、家で勉強したい子はどうぞご自由に、という感じです。
とはいえ、小学校にも全国共通のテストがあり、テストの成績で大学進学校、職業訓練校、その中間にあたる学校と三段階に分かれた中学校の進路が決まるという中で、きちんと勉強させたいと考えるのは親も学校も同じなはず。
家での学習量は最初からあてにはせず、よく睡眠をとって学校では集中して効率よい方法で勉強するのが基本、そういう考えなのかもしれません。
(でもお休みめちゃくちゃ多いですが…今も5連休中…)
ちなみに、在蘭10年以上のお母さんの談によると、小学校では宿題、勉強のプレッシャーがほぼない一方で、中学校からは勉強量が一気に増え、宿題は山盛り、ちゃんとやる子とそうでない子の差がみるみる開いていくそうです。
「宿題ないし、学校終わったら自由にするの!
バカンス期間はバカンスなの!」
とすっかり開き直っているチビですが…
中学校からは勉強が大変らしいというのは今のところ内緒です。
小学生のうちはできるだけ好きなことをして、大きくなったら自主性を持って勉学に励むように…なる…のか…?
帰ったらYouTubeを見るのが楽しみで楽しみで仕方ない…
そんなチビを見ていると全くそんな気はしませんが。。。
でもやる気がないことをするよう促すのもエネルギーが要るということで…
自由な時間が多い、って実際は大変
大人は家で勉強させなきゃというプレッシャーがないようで楽…なようにも見えますが。
頻繁にさまざまなところに送り迎えしたり、やたらとすぐにやって来るホリデーをどう乗り切るかに奔走したりでそれどころじゃない、というのが実際のところなような気がしています。
ワークライフバランスが世界でも有数といわれるオランダ。
親や保護者がフルタイムで働いて子供はずっと学童、というケースは少なく、家族が平日も子供のために時間を割くのはごく当たり前の中で。
子供が自由な時間をどう使うのか、を考えたときに「学校で学ぶべきことを再度、もしくはさらに家でもする」ことをそれほど重要視しない…のかもしれません。
それにしても。
学校の休みが多すぎて疲弊気味の我が家。
余裕を持ってホリデーを楽しめるようになる日は…
夫婦ともフリーランスのうちは多分来ない…だろうな…
…うーん…