ブログはじめました : なんでオランダ?と聞かれたら。2018/Aug/21
オランダに引っ越してきたのは2017年夏。
初めてオランダを訪れたのはおそらく・・・約20年前で。
フランスが好きで何度か訪れるついでにたまたま訪れたオランダは
「人々が嫌そうに働いてない! そして老若男女英語をしゃべる!」
のが印象的な国でありました。
「いつか海外で暮らすならフランスかオランダ」
ぼんやりとそう思っていたのをふと思い出し、寝耳に水の家族を巻き込み移住を考えはじめたのは3年以上前。
ちょうどライフハッカーWebサイトで「オランダでは労働ビザが不要!」との情報が出てオランダ移住フィーバーのやってくる少し前でした。 2018年現在は労働ビザ不要ではなくなっています
それからおよそ2年後、奇跡的な巡り合わせとタイミングのおかげでなんとか引っ越しを果たし、右往左往の繰り返しで1年余りが過ぎました。
1年経って暮らしに慣れたかというと・・・全くもってそんなことはなく。
毎日が飛ぶように過ぎていくのに相変わらずわからないことだらけ、交友範囲もそれほど広がってないし(涙)、英語もオランダ語も上達しているかといえば微妙・・・
なんとも情けない次第です。
そしてオランダに来てはみたものの。
何のためにオランダに来たの?と聞かれるたびにまとまらない返事を返していて、その度にいつももやもやした気持ちでいるのです。
「暮らし」「こどもと教育」「IT」「ビジネス」・・・
いろいろな要素があるけれどざっくり一言でまとめると
「面白そうだから」
・・・でもこの「面白そう」というのがなかなか伝えられない。
オランダに興味を持ったきっかけは15年くらい前のKLM。
そのころの空港ではまだセルフチェックイン、というものが他にはなく。
各航空会社の窓口に長蛇の列ができている中で、KLMだけが窓口にも人がおらず、チェックイン機だけがポツンと置かれていて。
まだスマホなんてない時代、どうやってチェックインするのかわからなくても訪ねる人もおらず、同様に路頭に迷う旅行客が機械のまわりでうろうろしている。
通り過ぎるKLMの制服を着たアテンダントらしき人に尋ねても
「私は機内のアテンダントだからわからないのよねー、あ、マシンあるから手順読んでね。」
的な適当かつばっさりな対応。
「・・・見てわかんないから聞いてるんだし。どんだけ投げやりなんだよ客対応!」
と怒ったところでなすすべもなく。
とはいえやってみればなんとかなるもので。
結局自力でチェックインを済まし無事飛行機に乗れたのですが、その時の
「私どうみても客室乗務員だし、明らかに仕事管轄違うから。
サポートに人がいないって? それ必要?人件費どんだけだと思ってんのよ。」
的な体制はカルチャーショックとして強烈に脳裏に刻み込まれたのであります。
その個人的KLMショックから10年近くが過ぎてみると、いつのまにかセルフチェックインは珍しくなくなり、航空会社が軒並み経営改革、人員整理を迫られる中でKLMは業績順調「ほらみたことか」と余裕顔。
気になってアンテナを張っているとオランダに関して入ってくる情報は
「チーズ」「チューリップ」「運河」「自転車」
「売春、マリファナが合法」
・・・のどかなのかアナーキーなんだかわからない名物、イメージに加えて
「こどもが幸せな国、教育大国」
「農業大国(農産物の輸出額は世界で2位らしい)」
「DJ資格の国家試験のある国」
「ベーシックインカムのトライアル(部分的にテスト導入)」
と意表を突く情報のバリエーションで益々のイメージ錯乱を図ってきます。
「わけわかんないけどなんかすごくない?」
かくして。
「いつか海外で暮らすならフランスかオランダ」という漠然とした思いつき、
「オランダが謎すぎる」ことへの好奇心、
「日本でしばしば感じる閉塞感と理不尽に思えるシステム」への疑問、
夫婦揃ってフリーランスという安定的拘束がまるでない境遇、
ヨーロッパ各国の中でもビザがとりやすいというお得感、
これらが後押しすることとなり現在に至ります。
結局「何でオランダ?」という質問にはやっぱり一言では答えることができそうにないのですが。
暮らし始めて1年が過ぎ、後回しにしつづけていたブログをやっと書こうと思った理由には、この「面白そう」と思ったことが実際にどうなのか、を備忘録的にまとめておく&アウトプットする必要があると猛烈に感じているからです。
一市民、ごく一個人、の視点ではありますが。
偏見も見栄も「色々やっぱり大変だけどなんとか面白くやっていくぜ」的意地(?)も存分に混じっているとは思いますが。
オランダの好きな面、好きになれない面が具体的に見えて来ると同時に。
日本の好きな面、好きになれない面も前とは違った様相で見えてきたような気がしております。
とにかくは自分の感じるオランダの「面白そう」な要素がもし誰かにも面白いと思ってもらえたり、なんだか窮屈だなあと思っている人に「こんな場所、考え方もある」そんなざっくりしたヒントになったりできれば本当に幸いだと思うのです。