マルタ湾岸の絶景

絶景の島国マルタ・・・家族旅行はなかなかにハードとはいえ2019/Aug/23

イタリアのシチリア半島の南側。
ヨーロッパのど真ん中に位置する小国マルタ。

人口50万人弱のマイクロ国家(世界最小10カ国の1つ)であり、
その絶好の位置故に様々な周辺国から支配され、空襲対象となった複雑な歴史を持つマルタ共和国。

多くの古代遺跡を有し、首都バレッタは1980年に世界遺産に認定、最古ともいえるヨーロッパの面影を残しつつも、

  • ヨーロッパ内では比較的廉価な英語留学の地として有名
  • 電子国家としての政府の取り組み
  • ブロックチェーンをはじめとする新興企業、スタートアップの誘致
  • 無数の大型音楽フェス

…と、オランダに負けず劣らずな特徴を持つ謎の小国なのですが…

気になって仕方なかったマルタへ夏のバカンスとリサーチ(?)を兼ねて行ってきました。
面白くも、想定外に大変だった…ので次回のための備忘録をば。

子連れ目線:夏のマルタ旅行メモ

公共の交通機関はバスのみ、車社会のマルタ

3時間のフライト遅延の末、やっと着いたマルタ空港で気づいたのですが(遅い)。
マルタには電車、トラムが・・・ない・・・。
公共の交通手段はバスのみです。
初日の宿がゴゾ島内だったのでマルタ本島を横断してフェリーに乗らなけれればならなかったのですが、その距離バスで50分。
マルタは切り立った崖の多い、高低差の多い島で道路はぐねぐね。
古い道は舗装も悪く車のバウンスもすごいのです。
バスは1分毎くらいに停車場があるのですが運転の荒いこと…

なんせ乗り物に弱い人にはアウトです。
そしてリゾート地マルタには観光客が山ほどいるのですが、当然バスも混んでいます。
遅れに遅れ、炎天下にやっと来たバスが満員で停留所を素通り…というのもざらにあります。
バスの時刻も全くあてになりません。

マルタ初日、飛行機遅延で疲れきった後、元々乗り物に弱いチビにバスはキツすぎて…泣きながら吐きながらとひたすら辛い移動日となりました。。。
結局1日目以外はほぼタクシー。
最初のゴゾの宿でゴゾ、マルタ両方の個人タクシーを紹介してもらい、彼らにひたすらお世話になりました。
ちょっと安め、定額でも回り道して観光スポットを通って説明してくれたりと快適かつ面白かったのでよかったのですが、次回はタクシー利用を想定内で考えないと・・・と思いつつ。
(1日20〜40ユーロくらいがタクシー代に…痛いです)

運転が得意な人にはレンタカー(カーシェア)がいいかもしれません。
マルタは日本同様左側通行。
こちらのカーシェアリング https://www.goto.com.mt/ はアプリを使って予約した場所に乗り捨ても可能なタイプ。
ただ前述のとおり崖道が多く交通量も多いので、運転に自信のない人にはおすすめしません。

ゴゾ島
フェリーから見るゴゾ島。マルタ本島に比べると人も少なくのんびりしています。

夏の暑さをあなどるなかれ

夏は雨がほとんど降らず暑い、とは聞いていたものの。
湿度の高いマルタの暑さ・・・日本の暑さと近いのですがもしれませんが、7月末は日差しがとにかくキツく暑さがこたえました。
地域によっては40度を超えているところもあったようで。
湾岸の景観が美しいので10分くらいの距離なら歩こうと思っても、日陰のない道がほとんどで少し歩くと倒れそうになります。。。
気をつけて水分と休息を取っていたつもりでしたが後半は家族全員が道中熱中症にやられかけ・・・

とにかく無理は禁物、暑さは甘く見てはいけないというのを痛感した旅でした。
ヨーロッパでは日傘を差している人を本当に見ないのですが、違和感より健康第一。
次回は日傘を持って行こうと心に決めたのでありました。

ちなみにマルタの冬は基本的に風が強く、天気はよくない日が多い、とはタクシーの運転手さんの談。

Valletta湾岸
絶景にあちこちで出会えるものの・・・マルタの夏は暑い・・・(歩くのが辛い)

疲れも吹っ飛ぶ!マリンブルーの海・ビーチ

マルタ、ゴゾにはあちらこちらにビーチがあります。
入江や湾岸の水も綺麗なところが多く、道路脇の海を覗くとどこにいても魚の群れを見つけるほどで、砂浜や浅瀬でもシュノーケリングが楽しめます。
多くのビーチがありますが、中でもマリンブルーの海を楽しむなら本島よりもゴゾ島とコミノ島をおすすめします。
マルタからであればバレッタやブジバからコミノ島への日帰りフェリーやボートツアーがいくつもあります。
ラグーン内にボートを停めて、滑り台から海にダイブ!できるタイプの船も。
ハイシーズンの日帰りツアーは結構混むので早めの予約がいいかもしれません。

特にその名のとおりの美しさ、のブルーラグーン、は息を飲むブルーの海で魚達と泳ぐのが最高に楽しいのですが、昼過ぎからは人が増えすぎて砂浜付近は銭湯状態に。
海も濁ってくるので砂浜から遠ざかるか、朝早くから訪れて昼過ぎには帰る、くらいがいいとは現地の人の談。
また、日陰が少ないので長くいるのであれば砂浜沿いのパラソル付きカウチを確保するのは必須です。
1カウチ時間制限なしで10ユーロ(2019年夏)。
荷物置きにも 売店で購入して食事をするにも重宝します。

コミノ島ビーチ
海の色が違う!コミノ島のビーチ。
コミノ島崖下
砂浜周辺は混むので崖下まで出てまどろむ人も。
道がないわけではないけれど降りるのはちょっと大変。
クリスタルラグーン
こちらはクリスタルラグーン。水の青みがさらに増します。
ビーチはないのですが、ボートツアーにはここで停まってくれて泳げるタイプのものも。


余計なお世話かもしれませんがコミノ島はじめマルタのビーチにはだいたい公衆トイレがありますがペーパーがないことはざらにあるので…
トイレットペーパー一巻、は常備していると便利かもしれません。

海は最高!だけどちょっと気をつけたい…クラゲの話

様々な魚の群れと泳いだり、磯辺では無数のヤドカリや貝、カニなどの生き物を観察し…
なにせ生き物が豊富なマルタの海は楽しいのですが、やはりクラゲはいるようで。
2回ほど、刺された人に遭遇しました。山程人がいた中での2名なので運が悪ければ、という確率なのかもしれないのですが、クラゲの被害は年々深刻になっているらしく、クラゲ警報ならやる注意サイトもあります。
どのビーチにクラゲが多いか潮の向きで予測するらしく。
ビーチに行く前にチェックしておくといいかもしれません。

Jelly Fish Safe Bays:
http://www.maltaweather.com/jellymap.asp

食事は基本美味しくて安い

「イギリスとイタリアの悪いところをかけあわせた」とガイドブックに書いてあるのを見かけたのですが(?)・・・そんなことは微塵も感じませんでした。
イタリア料理、地中海料理、マルタ料理・・・何が違うのかあまり気にせずレストランやカフェで食事をしていましたが、とにかく魚介が美味しい!そして安い!
(ウサギなどのジビエも有名なようですが魚介ばかり食べてた我が家。。。)
そしてどこにいっても見かけるマルタビールのCiskが最高でした。

・・・オランダからマルタに行くと、価格帯はオランダのおよそ半分、そして何を食べても美味しい、ので外食の満足度は相当高いです。
避暑の休息がてら適当に入った小さなレストランなどでも、食事にはハズレがなかった気がします。
(ただValletta中心などのいかにも観光地なエリアはそれほど安くないかも・・・行ってないのでわかりませんが・・・)

ロブスター
普通のエビのスパゲティーを頼みたかったのになぜかロブスターが・・・(汗)
写真のメニューとワイン2杯、ビール2杯とミネラルウォーターで50ユーロ弱。

マルタのホテル、宿泊所選びは難しい・・・?

今回

→ ゴゾのB&B
→ バレッタの南側、L-IslaのAirbnb
→ バレッタにほど近い PietaのAirbnb

との3箇所に予約を取っていたのですが、最初のB&Bが静かで美しく、まるでパレス!のように素晴らしく大当たりだったの対し、2つ目のL-IslaのAirbnbが辛すぎて(洗剤の匂いが充満し、とにかく空気が悪く掃除も適当、閉塞感がすごい家だった)急遽Bugibba(ブジバ)のいかにもツーリスト向けの格安ホテルを取り直しました。
子連れだと街歩きはほぼ楽しめない(暑さのせいもある)ということもあり、コミノ島やポパイビレッジなどに行きやすいBugibbaに場所を変えたのは正解だったと思うのですが、予約してしまったAirbnbは基本的にはキャンセルできないのでこちらも余分な出費となりました。

PietaのAirbnbはホストの方がとても親切で、やり取り中に子連れで楽しめるスポットや地元民に人気のレストランをいくつも教えてもらったのですごく助かりました。
とはいえ・・・部屋も伝統的なマルタの石造りの建物の家をキレイに改装し、クリーンで居心地がよいもの・・・なはずだったのですがこの家にはエアコンがなく。。。
・・・天井のファンと扇風機でなんとか乗り切ったのですが。。。
夜になっても30℃近い中で過ごすのはだいぶ辛かったです。

メモとしては:

エアコンの有無のチェックは必須
宿泊したホテルの近くのホテルはエアコンが壊れているらしいとの情報が口コミにあったのですが・・・
実際前をとおるとどの部屋も窓が開け放されていたので、ホテルといえども必ずチェックしたほうがよさそう。

自炊はあきらめたほうがいい
マルタではどこにいてもスーパーマーケットを見つけるのにすごく苦労したのですが・・・
外食が美味しく安いので、自炊はナンセンスかもしれないと思いました。

観光客が押し寄せるマルタ・・・圧倒的売り手市場の中で「イマイチ」「ハズレ」はあって当たり前、くらいに思ったほうがよいのかも。
有名・高級ホテルでなければ正直宿は期待しないほうがいい・・・のでは?というのが個人的所感です。

ゴゾ島
ゴゾ島の滞在先は最高でした。静かでなぜか人気を感じません・・・プール付き。

激しく変化しているマルタ・・・総じて面白く、人は優しい

マルタに多くあるらしい英会話スクールや、ブロックチェーンなどの新産業の動向などについて、滞在中に少し垣間見ることができるかと思っていた今回の旅ですが・・・
デジタル化が進んでいるとも聞いていたものの、街の様子をみる限りではあまりハイテクさを感じることはありませんでした。

交通事情がまずとてもアナログ。(時間のあてにならないバスのみ)
そういえば利用したどのタクシーもメーターは搭載していませんでした。
(「どこまでいくら」というのを最初に交渉して乗ります。領収書完全にもらい忘れた・・・)
街には電線、中心街や教会には電飾(ライトアップしてのお祭りがしょっちゅうあるとの談)がいたるところにあり、建物は相当昔からあると思われる石造りのものが大半。
移動しているとふと遺跡的なものが目の前に、ということもしょっちゅうです。

バレッタとその周辺は石造りの美しい建物と美しい海と帆船でただただ絵画的な絶景・・・にあちこちで出会ったのですが、古すぎて朽ち果てた建物と白い埃の舞い上がる建築途中現場が乱立する地域も多く。

暑すぎて&海が美しすぎて・・・とにかく海へ・・・
(そして7歳のチビは観光や遺跡には悲しいくらいに興味がない)
と、観光およびリサーチは途中でどうでもよくなってしまったというのはあります。

色々想定外でハードだったものの。
出会った人々から教えてもらった様々な地元情報のおかげで総じて印象深い、色鮮やかな旅になったように思います。
観光業、新しい産業の誘致でものすごいスピードで進化する国・・・の中でも、現地の人は皆どことなくのんびりしていておおらか。
治安に関しては皆こぞって良いと言うのですが、低所得者の住む地域と言われるエリアでも殺伐とした雰囲気はなぜか感じなく。
歩いていると地元の小さい子供が手をふってくれたり、タクシーの客引きなんかもどこかしらゆるゆると適当な感じ。ホームレスや物乞いの人を一度も見かけませんでした。

いくつかの町に滞在して感じたのは「観光客向け」、「庶民の生活に根ざした」それぞれのモノとサービスが遺跡と近代ビル同様、ごった煮で混在していることです。
様々な人が行き交う変化の激しい国で、観光業の恩恵を受けつつも皆自分のペースで生きているような…そんなことを考えつつ。

とにかくは想定外の出費&暑さにやられて激しく疲れたのですが・・・
今回の旅でマルタを楽しむコツがちょっとわかったような気がする・・・ので、いつかまたマリンブルーの海で遊ぶ&ひたすらのんびりするために家族で行けたらと思うのでありました。

バレッタ
Valletta中心部。キリスト教的モニュメントもどこかオリエンタル?で個性的。
Valletta
同じくValletta中心部。
廃墟
Valletta周辺エリア。朽ち果てた建物はあちこちで見られる。
廃車
Buggibbaのツーリスト向けホテルエリアの一角。何があったんだ・・・
ブジバ
同じくBuggibba。リゾート地だけどVallettaとはだいぶ違う。

おまけ:行ってみた観光ポイントの感想など

科学博物館 Esplora http://esplora.org.mt/

バレッタ中心部からバスで40分。
Airbnbのホストさんのおすすめで行ってきました。
アムステルダムの科学博物館NEMOを見慣れているとこじんまりとしていますが、人が少なく冷房が効いていて快適、混んでいたらまず使えなさそうなカーレースや飛行機の運転体験シミュレーターなどが自在に楽しめてチビはとても楽しんでいたようです。

esplora
入り口は屋上に。Vallettaが一望できます。

The Malta Experience https://www.themaltaexperience.com/

45分間、映画で見るマルタの歴史。
オーディオが日本語翻訳で聞けるのがありがたいです。
マルタの古代文明といまなお多く残された遺跡について、また様々な周辺国に翻弄されてきた歴史についてひととおり知ることができます。
隣の軍事病院施設の見学ツアーもあり。
ただ・・・大人16ユーロは・・・観光客価格として振り切ってるなと。
(でもマルタについてざっくり知るのには最適。最初に見ておくべきかも)

Splash & Fun Water Park https://www.splashandfunmalta.com/

車、バスでマルタ本島の北側を移動していると様々なウォータースライダーが目につくのですが・・・
チビの所望にて行ってきましたが、実際中に入ると施設・・・何もかもが古い・・・
ロッカーとか、有料で5ユーロもとられるのにほとんどが壊れていてボロボロ。
スライダーもなんだか薄汚れていて、水量が少ないので滑れない(つっかえる)人が続出してました。
わざわざプールに行くよりここは海だよね・・・と遠い目をしつつ。(でもチビは楽しんでました)
写真はありません。。。

Popeye Village ポパイビレッジ https://popeyemalta.com/

映画「ポパイ」の存在を知らなかったのですが・・・ロビン・ウィリアムスの出世作というのも初めて知りました。
1980年に封切られたポパイの実写映画のロケ地をそのままテーマパークにしたものということです。
カートゥーンらしいどこかポップなへんてこ感のある家々が可愛らしく。
小さいけれど夏はビーチで泳ぐこともできて(ボートツアーもある)一日楽しめます。

ポパイビレッジのビーチ
ポパイビレッジ内のビーチ。
浮具系は楽しいけど小さい子には不向きかも(大きい子がガンガン来るので)
オリーブのキッチン
オリーブの家のキッチン。レトロポップでかわいい。
2019/Aug/23
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